白黒学派

Monochrome School

2010-05-02 つるばのつぶやき

  • 00:02  これは基本ラインでOKなのですが、その前に、当学問内での濫用の度合いを誰が測るかが問題になります。 RT @t_hayashi おれが周期的に(いわゆる)人文系の学問における数学・自然科学用語濫用をちくちく批判する……
  • 00:04  @t_hayashi ありがとうございます。  [in reply to t_hayashi]
  • 00:16  さて、でははじめます。
  • 00:17  まずミステリも思想もそうですが、そのジャンル内における「真理を言い当てる」ことがひとつの眼目としてあります(もちろん他の目的もありますが)。
  • 00:20  日本の思想に限ると、日本でゲーデルの名前を使うようになったのは柄谷行人の「隠喩と建築」にから。1981年です。
  • 00:22  このころの思想はまあ、思想輸入文化でもあったんで用語の濫用に思えるところもあるかと思いますし、当時ならその誤用を指摘して調整することも可能だったと思います。
  • 00:23  有名なところでは、浅田彰の『構造と力』のクラインの壺における解釈が議論になったこともありました。
  • 00:27  そこでいわれているのは数学的用語の正しい使い方ではなく、その用語を比喩表現として用いることが、思想業界内部での「簡単な問題の提出方法」になっているからです。
  • 00:28  「ある形式的な約束事のなかで、真実を言い当てることができるかどうかを議論する」用語になっていると思います。
  • 00:30  なので、はやしさん(@t_hayashi)がおっしゃるように思想業界の周辺では「信憑性を低める結果」にはなかなかつながらないのです。
  • 00:32  今回であれば数学用語の誤りを指摘するにしても、明らかな間違いを指摘することはできない(たぶん)わけで。僕としては、明らかな誤用をさせないように指摘いただく方が有益だと思うのです。
  • 00:34  僕にしても、たとえば「パラダイム」という思想用語が、たんにあるステージから次のステージへの移行として使わたりすることや、「ファッションの哲学」なんていっておきながら哲学という思考の深みと懸け離れた内容をみると内心ムカッときます。
  • 00:36  ただ柄谷行人東浩紀がある問題を考えるときに、ゲーデルが考えた「不完全性定理」と出会ってしまったこと、それを使うことで少なくとも思想の業界の内部ではある種の革新的なことが起きてしまったことは否定できないのです。
  • 00:37  というところで、長文ツイートを一休みして、返答にうつります。
  • 00:40  @t_hayashi 僕も明らかな間違いがあって、蔑みを生むような事態になったほうがいいとも思いますが、あの『ソーカル事件』のときにもその調整は互いにうまくいきませんでした。  [in reply to t_hayashi]
  • 00:43  @t_hayashi 数学や自然科学用語の濫用をよしとするものでもないですし、使う場合は極力おおもとの意味内容との整合性に気をつけた方がいいとも思います。ただ、ことゲーデルの場合、もう業界内外でもある種のコンセンサスが生じているので、いまさら変えるのは無理だろうと。  [in reply to t_hayashi]
  • 00:51  .@gnoizumi 指摘ありがとうございます。緊張しすぎですね。『隠喩と建築』→『隠喩としての建築』
  • 00:52  @t_hayashi ここで議論になるべきは、誤用だといいきれるほどの証拠となる記述があるかどうかなんです。たまにある問題を述べている論者がその問題とは関係ないと思える用語を使っていることもありますが、その判定基準をどうするかという……  [in reply to t_hayashi]
  • 00:54  @t_hayashi もちろん数学者ないし数学哲学者の方から見ると恥ずかしい記述をしているのかもしれません。ただたとえば、『知の欺瞞』やその続編をみて、僕の素直な感想は、一概に判定するのは難しいな、というものでした。  [in reply to t_hayashi]
  • 00:58  @t_hayashi ゲーデル不完全性定理の誤用については、専門家ならそうおっしゃるのかもしれませんが、それを他人にもわかるように「それは誤用だ」といえる判別基準があればぜひうかがいたいところです(これは皮肉ではなく)。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:01  @t_hayashi 基本的に不完全性定理の話をするときは、「ある形式内の約束事が、内部で破綻する場合」の議論の整理として用いられることが多いと思います。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:02  @t_hayashi なるほど。そういう意味で誤用とおっしゃっていたのですか。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:04  @t_hayashi たとえば思想界隈では、議論の前提に「完全であること」が先に求められています。論点先取のようにも思われますが(事実そうであるときもありますが)、もちろんそれを決める前に、検証するためのパートがあります。そのときにゲーデルの話を持ち出すわけです。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:06  @t_hayashiゲーデル脱構築」についての解説は、ちょっと……僕には荷が重すぎます。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:07  @t_hayashi 言葉が不適切だったような気がしてきたので「完全であること」のくだりは、「真理を希求するジャンル」ぐらいの意味合いでとらえてください。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:09  僕はいまとんでもなく不遜なツイートばかりしている気がする……
  • 01:11  @t_hayashi 『基本的に不完全性定理の話をするときは、「ある形式内の約束事が、内部で破綻する場合」の議論の整理として用いられることが多い』は合っていると思うのですが……ここに問題がありますでしょうか?  [in reply to t_hayashi]
  • 01:12  @t_hayashi 『「真理を希求するジャンル」であるなら、あやしげな用語法こそまずは棄て去るべきなのでは?』というのは耳が痛いです。僕個人としてはそうではないよう心がけているつもりですが……  [in reply to t_hayashi]
  • 01:18  @t_hayashi こちらからの希望ですが、もし柄谷さんにあたるなら、日本語の『内省と遡行』でお願いします。英訳だと、はやしさんがおっしゃる一般的理解に至らない(といいますか僕が理解できない)と思いますので。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:21  @t_hayashi 真理の追究といっても、どちらかといえば実際は言葉の運用の問題だと個人的には思っています。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:22  @t_hayashi そうでした、そちらはカナダでしたね。つい、なんとなく普通にリアルタイムに会話が成立しているもので……  [in reply to t_hayashi]
  • 01:25  @t_hayashi 僕もちょっとうかがいたいのですが、はやしさんが憤っていらっしゃるのは、不完全性定理の前段である、数学の完全性についての成果を、まったく顧慮せずに、不完全性定理を比喩的に用いていることでしょうか?  [in reply to t_hayashi]
  • 01:30  僕がめっちゃ緊張しているのに『存在論的、郵便的』の方は藤田くんの全裸のツイートをしている……
  • 01:35  @t_hayashi あ、それは誤解で、「正しさ」が「運用の問題」にすりかわるということです。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:38  @mr_konn とぅぎゃるなーーw  [in reply to mr_konn]
  • 01:39  @mr_konn まあ、覚悟はしていた……  [in reply to mr_konn]
  • 01:40  @t_hayashi おしゃっていることはとても理解できていて、たとえばもっと酷いと思っているのは量子力学の知見を、哲学的問題の結論の証拠として用いることで、僕もこれは問題だと思うのです。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:43  @t_hayashi その「誤った用語法」の判断基準が、ちょっとわからなくて、です。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:46  @t_hayashi 「真実などなく、あるのは言葉のある使われ方だけだ」ということではなくて、「真実はあると思うのだけれど、今はこのぐらいの真実のパーセンテージで満足しよう」ということだと僕は思っています。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:49  @t_hayashi すべてをプラグマテッックスに運用することが是だと思わないのですが、そのジャンルごとに、真理判定のステージや、基準、パーセンテージは違うものだと思っているからです。というのが、答えです。それを劣悪なポピュリズムの水準まで下げる意図はないのです。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:51  @t_hayashi リロードして、ちょっと返信がずれているように思えてきたの整理させてください。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:52  @t_hayashi 先ほどのははやしさんの質問の返答ではないので。1)は、是。2)は思想業界の分野で流通しているからです(ただし、これには留保がつきます)。  [in reply to t_hayashi]
  • 01:54  @t_hayashi それと不完全性定理に関する書籍については林晋『不完全性定理』や、竹内さんの『集合とは何か』などは押さえています。だた、知識が専門家におぼつかないのは勘弁してください。あとちょっとご指摘のトーンが厳しくて……  [in reply to t_hayashi]
  • 01:59  @t_hayashi 留保といっても「明らかな誤用や議論を安易に決着させるような場合での用語の使い方」は×。一般人で判別がつかない場合は○ということです。  [in reply to t_hayashi]
  • 02:01  @t_hayashi それはやはり専門分野だから、自信を持っていえることだと思います。  [in reply to t_hayashi]
  • 02:02  @t_hayashi それはごもっともな指摘だと思います。  [in reply to t_hayashi]
  • 02:05  @t_hayashi 『「どうしてこの用法が誤りなのか分からない。〜まちがっているとも言えない」とも取れるような発言は、ちょっとどうかな』といえてしまうのは専門にたずさわっているからだということでした。  [in reply to t_hayashi]
  • 02:15  @t_hayashi お気遣いありがとうございます。僕としてももし機会があるなら『存在論的、郵便的』をお読みいただいて(もしお読みでしたらすみません)、問題のある箇所をうかがえれば幸いです。  [in reply to t_hayashi]
  • 02:18  .@mr_konn そして、いま「ゲーデルと思想まわりの用語について」のトゥギャッターを読んで顔から火を噴いたなりよ。なんてところでまとめ終えているんじゃ!!
  • 02:20  そしてフォロアーがすごい増えている……
  • 02:26  デイヴィッド・ルイスはツイッターをやっているのか……ネットは広大だな(というか、僕の視野が狭い)。
  • 02:29  .@t_hayashi なるほど、二重に恥をかいてしまいました。
  • 02:31  @Sotobato_Nihu おっしゃるとおりで。いましがた、林さんにもつっこまれました。
  • 02:36  @pubkugyo いえいえ、こちらの早合点ですみません。あと「D. Lewisはいまでも、無数の可能世界のなかに、その対応者を持っていますよ!」の言葉はしびれました。  [in reply to pubkugyo]
  • 02:41  僕も「ゲーデル問題」問題のまとめに円城さん( @EnJoeToh )の発言を入れていただくことを希望します。 http://togetter.com/li/17986
  • 12:32  @mr_konn いやいや、あれはあれでオッケーだよ。文脈は微妙だけど、爆笑したし。  [in reply to mr_konn]
  • 19:33  谷口基『戦前戦後異端文学論』読み終えたなう。
  • 20:00  山田風太郎論のところは、論評対象の素晴らしさがばねになって心地よい知的興奮を味わえました。とりあえず一安心。

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