白黒学派

Monochrome School

キララ、登場す。前編読了。

竹本健治初のメイドロボミステリ。まとまりしだい、文藝春秋本格ミステリマスターズで刊行される予定。メイドロボといえば、ティセとかマルチとかあるわけですが、純粋なメイドロボミステリは商業誌では初なのではないでしょうか。近いところといえば、三雲岳斗の『ワイヤレスハートチャイルド』があるわけですが、登場するのは正確にいえばウェイトレスロボですから間違えないようにしましょう。

さて、本編ですがまだ導入部というわけで、事件らしい事件は起きません。お約束ですが、とある青年のところにとある理由で送られてきたメイドロボの経緯が語られます。またこれもお約束ですが、作中でアシモフロボット三原則を変更した新たな三原則が考案されています。アシモフのロボットミステリものはこの三原則から生じる謎が論理的に解かれるところに一番の主眼がおかれているわけで、それを竹本健治が如何に変奏するかが、見所になるんじゃないでしょうか。