白黒学派

Monochrome School

「brain」2005年6月号 青山デザイン会議

アニメ監督の富野由悠季、音楽プロデューサーの藤原ヒロシ、「PAPER SKY」編集長のルーカス・バデキ・バルコによる鼎談。

編集から与えられた題目が「ボーダレス化する感覚と表現」となっているのですが、読み始めて、いきなり富野監督がお題目を完全否定してしまっていてびっくり。「『ボーダレス』なんて現象は(略)編集者が勝手に思いこんでいるだけ」「しょせん、レトリック」と。

藤原とルーカスは富野に話を合わせようとがんばるけれど、後半でルーカスは「僕すごい混乱しているけど(笑)」といいだしてしまいます。たいていの人は富野語を楽しむ内容になっているでしょう。後半は作品表現としての「美」の話になり、富野監督の作品に対する愛と絶望が行間に読みとれます。編集構成の段階でずいぶん穏便な内容になったのではと、邪推します。