白黒学派

Monochrome School

富豪刑事

読了。久しぶりに筒井康隆の文体を堪能しました。独特な場面展開や、意図的な言い回しのくり返しなど、気持ちいいこと。富豪の刑事が財力を持って事件を解決するという設定が、どうやって作品化されているか。それは書かないほうがいいでしょう。犯人が予測できてしまうとか、犯人側の思惑がわかりやすいということは、さほど気にするところでもないと思います。

余談ですが、ずいぶんまえに高島政宏主演の2時間ドラマに似たような話があったのを唐突に思い出しました。お金の魔力を憎む主人公が、最後はふっきれて自分の財力でもって事件を解決するという話でしたね。